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Bリーグ(国内バスケットボール)の主にB1を中心に、スタッツを考察したりしなかったり

【B1】今シーズンの成績から予想する 第10節 富山 vs A東京

 

バイウィークも過ぎて、ひさびさの B リーグ公式戦。

今回は第10節 富山グラウジーズ vs アルバルク東京 戦の展開予想です。

  

 

目次

 

15 戦実施時点でのスタッツを基に両チームの傾向をおさらいしてみようと思います。

  

自チームの傾向

試合平均 と書かれているのは 1 試合ごとのパーセンテージを平均したもの、書かれていないのは総スタッツから算出した値です。また、左端に全チーム平均値を記載しました。赤字は平均値以上、色つきスタッツは両者を比較して優秀な値です(赤:多い方が優秀 青:少ない方が優秀)。

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ざっくりの傾向を読み解くよりも、特徴的な数字に違いが表れているのでそちらを見ていきましょう。
まず、なんと言ってもシュートの傾向がかなり違います。特に 2P% で 8 ポイントも離れているのは意外と思わざるを得ません。東京は試投数は多いのですが決定率が悪い。逆に富山は試投数が平均以下なものの高い決定率で圧倒しています。ところが 3P となるとこの数値が反転、東京の方が試投数が少なく高確率、富山は試投数が多く決定率は平均並み。多投する方が決定率が悪いというのは、現状と目標のギャップがあるチーム同士の対戦と言えます。

フリースロー、東京は試投数がかなり少ないのですがハイアベレージなのに対し、富山は試投数(被ファウル)が多く決定率が悪い。ただし、両チームともファウルの少ないチームなので、フリースローが試合の決め手になる可能性は低そう。

ほか気になるところでは、異常に低い東京のターンオーバーおよび TO%と、意外と少ないディフェンスリバウンドでしょうか。

 

対戦相手の傾向 

続けて、対戦相手の平均スタッツです。

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先ほどの自チームスタッツに続き、非常に対照的なスタッツです。

富山は被 2P% を相当低く抑え、東京は被 3P% に強みがあります。富山がゾーンディフェンス主体、東京がマンツーマンディフェンス主体といったスタイルの違いが如実に表れています。自チームスタッツと組み合わせて考えると、この試合においては 富山の 3P / 東京の 2P の決定率は更に悪化するのではないかと思われますので、逆のポイントを攻める、言い方を変えれば、富山は 2P に、東京は 3P に一辺倒になる展開が考えられます。

その中で富山は被ファウル数を稼ぎたい(= 東京のファウルを誘いたい)ところですが、FTR を見る通り東京はファウルストップはほとんどありません。なぜならファウルを使わずに我慢強く攻撃を止めることができるからです。それを表しているのが、"速攻からの得点"と "ターンオーバーからの得点" の低さ。ターンオーバーはもともと低いため 1.ターンオーバーからのイージーショットをまず予防 し、2. 相手にハーフコートオフェンスを強要する、この 2 点がディフェンスでは徹底されていると想像できます。このパターンは川崎戦 Game1 と同じで、崩そうと思っても崩せずバイオレーション寸前で無理な 3P を多投し始める、富山にとっては不利な展開です。本稿の最初に書いた通り、この試合においては富山の 3P% は悪化します。できるだけこの展開に付き合わず、3P を打ったとしても希望をもってオフェンスリバウンドを狙うことが重要となります。

東京は富山がゾーンディフェンスになったら早い段階で 3P での連続得点が欲しいところです。多少決められたくらいでは基本的にゾーンディフェンスを解かないと思いますが、これが取れないと、確率の悪いペリメーターの勝負が多く発生し、ますますゾーンディフェンスの時間帯が長くなるためです。

 

まとめ

お互いの弱みと強みが喧嘩四つぎみに組み合っている本対戦、東京はペースを落としたい思惑があり、それぞれに決定率の低さも分かっているので、得点傾向はロースコアゲームになると思われます。

両チームとも、相手の強みを抑えるよりも、相手の弱みを弱いままにさせる方が、楽に試合のペースを握れそうです。楽と言っても、選手たちはかなり体力を消耗するハードな試合となりそうかなと予想します。

試投数傾向と決定率から注目選手は、富山は宇都直輝選手とリチャード・ソロモン選手、東京は須田侑太郎選手とザック・バランスキー選手です。富山の 2 名は以前在籍していた古巣相手。恩返しに参ります。