Bリーグ好き勝手

Bリーグ(国内バスケットボール)の主にB1を中心に、スタッツを考察したりしなかったり

PER からオールスターメンバーを選出してみた

 

今年も開催されますオールスター!

 

11/16 に 4 週間の投票期間が始まり、つい先日には中間発表があったばかり。

ドキドキワクワクな皆さんを待ち受けていたのは悲喜こもごもな現実。それから色んな意見が頻出しており、得票下位ブースターからは「しょせん人気投票」とやけっぱちな嘆きも。

 

それならばと、今回は「人気投票じゃないオールスターメンバーとはどんなのだ?」をゆるーく考えてみたいと思います。

 

↓ 主題だけ知りたい方は以下のリンクからジャンプをお願いします。

 

目次

 

ちょっと前置き 

実力主義というのは単純なようでいて実は測るのが難しい。

「何をもって実力とするか」という指標は個々人で異なります。現時点における選手の評価もスター性が多少なりとも含まれていて、よくよく洗い出してみると効率的にはそれほどでもなく、印象とのギャップを感じることもあります。

 

となると、ここは投票とは真逆の発想となりますが、人間の印象には頼らないスタッツからの数値指標で選ぶのが平等と言えるでしょう。

 

いつもですと、ここで「EIOG」という謎の独自評価指標をもってくるんですけど、今回は一味違います。

 

PER でやります。

 

Q. PER ってなんですか?

A. EFF の親戚みたいなものです。NBA とかで使われてるみたいです。

 

計算式はこんな感じになるのですが、計算式を見てもなんのこっちゃですので「1 分あたりの貢献ポイント」とでも考えてください*1。得点以外にも、各種スタッツで点が増えたり減ったりします。

 

ちなみに、今季の開幕節の PER を見るとこんな感じ。

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uPER が個人のスタッツ基本値、

aPER がチームのペースを考慮した uPER、

PER が リーグ全体の aPER 平均値を15とした時の、選手の aPER 相対値です。

 

このポイントを使って今シーズン調子が良い選手を導き出し、選出ルールに基づいて「夢のオールスターメンバー」を決定します!

 

オールスター選出のルールについて

では、選考ルールはどうなっているかってことで、こちらをご覧ください。

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この条件を満たしながら選出していきます。

余談ですが、改めて出してみるとルールを誤解していた部分が多々あったので、その意味でもよい経験となりました。

 

PER による選出

まず今季のチーム分け

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こんな感じです。

 

では上から順にいきましょう。

  

(1)両チームファン投票数上位5名の選手を選出
 ※外国籍選手については上限2名とし、上限を超える場合は次点の外国籍以外の選手を選出します

 

まず、ここで重要なのは外国籍選手を 2 名選出することです。

チーム全体で 3 名までの制限があり、残りの 1 人は B リーグ初所属の選手となるので、ここで選ばれなかった外国籍選手は出場の可能性はほぼありません。

これ以降に関しても、帰化選手もしくは日本人選手を選ぶことになります。

 

今シーズンの平均 PER から選出したのは...

 

B.BLACK

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スミスとカーク。

 

いい加減にしてください。

オールスターはサファリパークじゃないんです。

2頭のクマをコートに放ったらいけないんですよ!

 

B.WHITE

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B.WHITE は外国籍にホーキンソンライスという、ひとクセある変化球。

ついに外国籍 PG がオールスターに爆誕した瞬間です。

 

両チームとも帰化選手を 2 名抱えてイーブンな状況となっているのも、かなり盛り上がりを後押ししてくれています。

 

(2)リーグ推薦出場選手を以下の順で選出
  1.(1)のファン投票における各選手の投票数を、クラブごとに集計し、上位より4クラブをリーグ推薦枠付与対象クラブとして決定します
  2.ただし、ファン投票で3名以上の選手が選出されているクラブは、リーグ推薦枠付与対象から除外します
  3.原則、リーグ推薦枠付与対象クラブよりファン投票数の多い選手を選出(両チーム4名)

 

ちょいと面倒な条件ですが、「クラブごとの投票数 = PER 平均値」とします。

まだ 3 名以上選出されているチームはないので、PER 平均値が高いクラブから最も PER が高い選手を選出します。(ここで選ぶのは帰化もしくは日本人選手です)

 

選択権を得たのは以下のチームです。

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B.BLACK は富山、A 東京、宇都宮、SR渋谷、B.WHITE は千葉、川崎、三河、北海道。

 

このクラブチームで活躍している日本人選手... だいたい目に浮かびますね。

せっかくなので予想してみてください。

 

はい、殆ど当たりです。

でも、多分ですが、全員は当たらないと思います。

 

では見てみましょう。オレンジの色の選手です。

 

B.BLACK

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B.WHITE

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三河ってなった時に、85% ぐらい金丸だと思いますよね!?

違います。川村です。お祭り男です。さすがです。漏れなくタツヲがついてくるところまで想像できます。

 

(3)茨城ロボッツより開催地枠として1名をB.BLACKに選出

 

この前たまたま茨城の記事を書いたこともあり、満場一致で...

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平尾キャプテンじゃないのかよッ!

 

まあ、超常高確率 3P で度肝を抜く作戦も( ・∀・)イイ!!ですけどね。本当の3Pマシーンってものがどんなものかオールスターでお披露目してください。

 

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なかなかバランスよく仕上がってるぞ。

 

(4)アジア特別枠選手の中からファン投票数上位者1名をB.WHITEに選出
 ※ファン投票で3名以上の選手が選出されているクラブは、付与対象から除外します

 

アジア特別枠をそんなに意識してなかったので、そんなに数いたっけ? と今さらながらに思いながら探すことに。

 

「この人もそうかな?」

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* 違います。

 

まあ、実質ここはラベナ枠ですね。

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(5)2020-21シーズンに初めてB.LEAGUEに所属した外国籍選手の中で、ファン投票上位者を両チーム1名ずつ選出
 ※ファン投票で3名以上の選手が選出されているクラブは、付与対象から除外します

 

ここまで外国籍選手をリストに残し続けてきましたが、ここで残り1人の外国籍を選出します。

大逆転ドラマが生まれました! 奇跡も起きました!

 

B.BLACK

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ケビン・ジョーンズ選手も初めての B リーグ所属でしたが、既にA東京から3名選出されているため残念ながら除外されます。

次点のソロモン選手は、「B リーグになる前の」NBL トヨタに所属していましたが B リーグには初めて所属するので対象です!

 

B.WHITE

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こちらも劇的。

ボンズ選手は昨季 B3 の佐賀に所属し、今季開始当初は B2 佐賀でプレイ、シーズン途中で川崎に移籍しました。移籍に関する取り決めはないので、規約上、今季初めて B リーグに所属する選手となります! 川崎に移籍したことで生まれた奇跡。

 

(6)新人賞選考対象者の中からファン投票数上位者1名ずつを両チームに選出
 ※ファン投票で3名以上の選手が選出されているクラブであっても付与対象とします

 

さて残るは2枠。

まずは今季から新設された新人選手枠。

対象選手は → こちら。 

gyrokawai-basketball.hatenablog.com

 

初年度からオールスター出場の栄光をつかむのは!

 

B.BLACK

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B.WHITE

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忖度を疑われるほど、なかなかピンポイントで面白い選出。

それぞれ持ち味を生かしやすいチームに入っています。マーフィー選手は3Pも打てるスラッシャーとして、赤穂選手はオフェンス/ディフェンスともに周りとの協調を図りながらの重要なシックスメン。チーム内の役割もはっきりしています。

 

(7)SNS投票(TwitterInstagram、LINEのB.LEAGUE公式アカウント)の上位者を両チーム1名ずつ選出

 

それではラスト!

 今まで一切の忖度抜きを標榜してきましたが SNS 投票は状況が読めないこともあり、できるだけ多くのクラブに出場してほしい気持ちから、ここでは「選出が 0 人のクラブチーム」に限定して、最も PER が高い選手を選出することとします。

 

ここまでで選出がないクラブは以下の通りです。

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それぞれのチームで最も PER の高い日本人選手がラストピースとなります。

各クラブチームを代表する選手、クラブの顔ともいえる選手がそれぞれいますよね。

 

発表はまとめにてッ!

 

 

PER による選出結果

では満を持して、PER によって選出したオールスターメンバーの発表です!

 

B.BLACK

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B.WHITE

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最後に選ばれた選手は 新風を運ぶ挑戦者 齋藤選手 と 琉球ファンタジスタ 並里選手でした!

 

最初は少し不安になりつつも、両チームとも帰化枠 2 名が選出され弱みの部分を補い、日本人選手はさすがの実績を残している選手が揃うことでかなりバランスのいいチームに仕上がったのではないでしょうか?!

 

い つ も の

せっかくのなので、いつもやっている独自評価指標 EIOG*2を基にした値でも同様にメンバーを選出してみました!

とにかく数値前提で(ほとんど)忖度なし、という方針も変わりません!

 

B.BLACK

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B.WHITE 

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もしかして...このチームつよすぎ...?

 

B.BLACK は富山色が強いなーと思ってたら、追加 4 人があっという間にいろいろ上書きしていきました。それでいて最後も大阪の橋本選手が滑り込んでくるあたりがもう最高です。新人の松脇選手もディフェンスで貢献できるし、普通にコートに立っているだけでもいい刺激になりそうですよね。

B.WHITE は同じように千葉がベースとなりましたが、そこにシューターと、ナカヤマ&サトタクのディフェンス要素を加味してくるとは、予想外だけどよく見るとえげつない。外国籍として PG のライスというオプションも用意できるのも新鮮味あり。

 

これ、かなりいいじゃないですか。

 

(2020/12/25 追記)

ゴメン、B.WHITE の最終追加選手が 0 人選出のチームからではなかった......。

正直サトタク入れたかった愛が強すぎた。ゴメンサトタク。

お詫びして訂正する結果はこちら!

 

B.WHITE 

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あ、更に強くなった。これは隙がねえ。

並里 & 西山とかいうファンタジスタの PIECES OF A DREAM やばい。

 

ぼく の かんがえた さいきょう の オールスター

では最後に、PER と EIOG の結果を踏まえて「こんなオールスターメンバー見てみたくない?」を総括して終わりたいと思います。

 

[ルール]

・PER と EIOG の両方で選出された選手は自動選出

・外国籍、帰化、アジア/開催地枠、新人枠の人数ルールを満たすこと

・1 クラブから 3 名以内までの出場とする

 

B.BLACK

  選手 年齢 ポジション チーム チーム分け  
  宇都直輝 29 PG 富山 B.BLACK 当確
  ベンドラメ礼生 27 PG SR渋谷 B.BLACK 当確
新人 アイザイア・マーフィー 22 PG/SG 広島 B.BLACK  
開催地 福澤晃平 31 PG/SG 茨城 B.BLACK 当確
  遠藤祐亮 31 PG 宇都宮 B.BLACK  
  安藤周人 26 SG 名古屋D B.BLACK  
  比江島慎 30 SG 宇都宮 B.BLACK  
  田中大貴 29 SG A東京 B.BLACK 当確
  橋本拓哉 26 SG 大阪 B.BLACK  
外国籍 ジュリアン・マブンガ 30 PF 富山 B.BLACK  
外国籍 ジョーダン・ハミルトン 30 SF 滋賀 B.BLACK  
外国籍 アレックス・カーク 29 C A東京 B.BLACK 当確
帰化 ライアン・ロシター 31 C 宇都宮 B.BLACK 当確

f:id:Gyrokawai:20201202114846j:plain(C) CAPCOM

  • マルチポジションをこなせる選手が多く、パス / 3P / ドライブ / キックアウト... なにをしてくるか次の手が読めない変幻自在チーム
  • アップテンポのトランジションから得点を量産できる、ツボに嵌ると抑えようがないオフェンスとイケメンが売り
  • 仲良しメンバーとムードメーカーが多くてすごく楽しそう
  • 比江島慎(宇都宮)、前田悟(富山)、安藤周人(名古屋D)、齋藤拓実(名古屋D)から2人を組み合わせるのは永遠に解決しない問題

 

B.WHITE

  選手 年齢 ポジション チーム チーム分け  
外国籍 レイヴォンテ・ライス 28 PG 京都 B.WHITE 当確
  富樫勇樹 27 PG 千葉 B.WHITE 当確
  並里成 31 PG 琉球 B.WHITE 当確
  辻直人 31 SG 川崎 B.WHITE 当確
  川村卓也 34 PG/SG 三河 B.WHITE  
  金丸晃輔 31 SF 三河 B.WHITE  
アジア サーディ・ラベナ 24 SG 三遠 B.WHITE 当確
  山拓 26 PG 秋田 B.WHITE  
新人 増田啓介 22 SF 川崎 B.WHITE  
帰化 ギャビン・エドワーズ 32 PF 千葉 B.WHITE 当確
外国籍 ダバンテ・ガードナー 29 PF 三河 B.WHITE  
外国籍 セバスチャン・サイズ 26 C 千葉 B.WHITE  
帰化 ニック・ファジーカス 35 C 川崎 B.WHITE 当確

f:id:Gyrokawai:20201202114740p:plain(C) CAPCOM

  • 帰化枠 2 名を最大限に活用。オールスター初の外国籍 PG が、ハイタワーのインサイド(タイガーアパカッ)と高確率 3P(タイガー...タイガー...) の 2 択を延々に強制し続ける嵌め殺しチーム
  • 一人もフリーを作れない日本人選手、そこをケアしようと外に開けば漏れなくどこかでアイソレーションを強いられる凶暴さ、理不尽さが売り
  • 自由枠に三河からオフェンスマシーン 2 台とガードナーを採用する割り切りは卑怯の一言
  • 3Q まで徹底的にふざけてからの4Qのガチモードの温度差に、新人増田はついていけるのか

 

こうしてやってみると、とてもワクワクさせる組み合わせになりました!

(最後はどちらも悪の組織になってしまいましたが)

数字で決めていくのも自動的に組みあがっていく感じがかなり楽しいですね!

皆さんもそれぞれの「夢のオールスターメンバー」を妄想してみるのはいかがでしょうか?

 

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*1:整理すると実はそれほど難解なものではありません。

*2: 

gyrokawai-basketball.hatenablog.com