用語解説ページ
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ジャイロ式評価指数
実戦スタッツをスピアマンの順位相関係数で読み解くことによって生まれた "全く新しい(訳:バスケットボール標準から外れた)評価指数"。
生み出された経緯 → このあたり
各スタッツに各々設定された「勝利係数」を掛けて総和を取り、さらにプレイタイム貢献と選手の年齢を考慮し、「勝利に導いた選手」「敗れてもなおキラリと光る選手」を探し出す。
計算方法
ジャイロ式評価指数は以下の手順で計算できます。
Evaluation index of gyro
EIOG = Σ knSn * ( 1+ ( PT / medPT ) * ( medYO / YO ) / 10 )
kn = n 番目の勝利係数
Sn = n 番目のスタッツ(スタッツは平均ではなく総数)
PT = 当該選手のプレイタイム
medPT = 全選手プレイタイムの中央値
YO = 当該選手の年齢
medYO = 全選手年齢の中央値
- 各スタッツと以下に示すスタッツ「勝利係数」をかけたものの総和を取る
- 選手自身のプレイタイムを全選手のプレイタイム中央値で除する
- 全選手の年齢中央値を選手自身の年齢で除する
- (2) と (3) をかけたものを 10 で除する
- (4) と 1 の和を取る *1
- (1) と (5) を乗する
解説
- スピアマンの順位相関係数の正しい使い方ではありません ← 超重要
- 「よりチーム順位を高める(= 勝利)スタッツ」を残すほど高い数値になります。
- スタッツは平均値ではなくシーズンの累積総数です。「勝利係数」の高い行動を1回でも多く行った選手が高い数値になります。
- 同じスタッツであれば、プレイタイムが長い選手を「貢献度の高い選手」として評価します。*2
- 同じスタッツであれば、年齢が若い選手を「選手価値の高い選手」として評価します。
2019-20 シーズン終了時の「勝利係数」
「勝利係数」とは、チーム順位と各スタッツ順位の相関度をスピアマンの順位相関係数によって各シーズンの値を導出し平均値を取ったもの。*3
今季終了時点の各スタッツ「勝利係数」は以下の通り。
PTS | 0.796 | |
3PT | 3PM | 0.539 |
3PA | 0.333 | |
3P% | 0.648 | |
2PT | 2PM | 0.254 |
2PA | -0.197 | |
2P% | 0.703 | |
FG | FGM | 0.673 |
FGA | 0.087 | |
FG% | 0.704 | |
FT | FTM | 0.411 |
FTA | 0.407 | |
FT% | 0.287 | |
RBD | ORB | 0.347 |
DRB | 0.257 | |
TRB | 0.397 | |
AST | 0.540 | |
STL | 0.151 | |
BLK | 0.136 | |
BSR | -0.472 | |
TOV | -0.599 | |
PF | -0.362 | |
FD | 0.277 | |
+/- | 0.979 |
例:2019-20 シーズンのニック・ファジーカス選手(川崎ブレイブサンダース)のジャイロ式評価指数
k | S | knSn | ||
PTS | 0.796 | 928 | 738.59 | |
3PT | 3PM | 0.539 | 67 | 36.14 |
3PA | 0.333 | 160 | 53.33 | |
3P% | 0.648 | 41.9 | 27.14 | |
2PT | 2PM | 0.254 | 280 | 70.99 |
2PA | -0.197 | 515 | -101.28 | |
2P% | 0.703 | 54.4 | 38.26 | |
FG | FGM | 0.673 | 347 | 233.53 |
FGA | 0.087 | 675 | 58.53 | |
FG% | 0.704 | 51.4 | 36.21 | |
FT | FTM | 0.411 | 167 | 68.68 |
FTA | 0.407 | 201 | 81.84 | |
FT% | 0.287 | 83.1 | 23.86 | |
RBD | ORB | 0.347 | 82 | 28.45 |
DRB | 0.257 | 357 | 91.74 | |
TRB | 0.397 | 439 | 174.27 | |
AST | 0.540 | 147 | 79.34 | |
STL | 0.151 | 38 | 5.72 | |
BLK | 0.136 | 15 | 2.04 | |
BSR | -0.472 | 23 | -10.85 | |
TOV | -0.599 | 106 | -63.49 | |
PF | -0.362 | 69 | -24.99 | |
FD | 0.277 | 156 | 43.28 | |
+/- | 0.979 | 309 | 302.62 | |
小計 | 1993.93 |
ファジーカス選手の EIOG
= 1993.93 * ( 1+ ( 1280 / 543 ) * ( 28 / 34 ) / 10 )
= 1993.93 * ( 1+ 0.1941)
= 2381.01
2019-20 シーズンの結果
gyrokawai-basketball.hatenablog.com
ジャイロ式高効率指数
ジャイロ式評価指数と両翼をなす、プレイタイムあたりの勝利貢献値。
各スタッツに各々設定された「勝利係数」を掛けて総和を取り、プレイタイムで割ることで算出された出場時間1分あたりの貢献度を算出する。更に年齢を考慮することで「若いがプレイタイムを与えたら化ける選手」「注目すべき移籍選手」を導き出す。
計算方法
ジャイロ式高効率指数は以下の手順で計算できます。
High efficiency of gyro
HEOG = Σ knSn / PT * ( medYO / YO ) * 100
kn = n 番目の勝利係数
Sn = n 番目のスタッツ(スタッツは平均ではなく総数)
PT = 当該選手のプレイタイム
YO = 当該選手の年齢
medYO = 全選手年齢の中央値
- 各スタッツと以下に示すスタッツ「勝利係数」をかけたものの総和を取る
- (1) を選手自身のプレイタイムで除する
- 全選手の年齢中央値を選手自身の年齢で除する
- (2) と (3) をかけたものに 100 をかける
解説
- スピアマンの順位相関係数の正しい使い方ではありません ← 超重要
- 「よりチーム順位を高める(= 勝利)スタッツ」を残すほど高い数値になります。
- スタッツは平均値ではなくシーズンの累積総数です。「勝利係数」の高い行動を1回でも多く行った選手が高い数値になります。
- 出場時間が短すぎる選手は除外します。*4
- 同じスタッツであれば、プレイタイムが短い選手を「効率の高い選手」として評価します。
- 同じスタッツであれば、年齢が若い選手を「期待値の高い選手」として評価します。
例:2019-20 シーズンのニック・ファジーカス選手(川崎ブレイブサンダース)のジャイロ式高効率指数
ファジーカス選手の HEOG
= 1993.93 / 1280 * ( 28 / 34 ) * 100
= 1.557761 * ( 0.8235 ) * 100
= 128.2862